ネパール サッレリ村
標高2400メートル


昨日で私のエベレストトレッキングが無事に終了し、この日は、ついに首都カトマンズに帰る日。


朝の4時、まだ真っ暗の中、ボロいホテルで起床し、荷物を持って受付まで行く。



ホテルのオーナーを起こすため、わざとゴソゴソと音をたてた。


このボロいホテルの受付で待機してると、案の定、宿主が起きてきて、精算を済ませた。

オヤジの精算が遅くてちょっと出発が遅れた。まぁ、ネパールだから大丈夫っしょ。



真っ暗の中、ヘッドライトを付けて、昨日ジープのチケットを予約したオフィスに向かう。


朝方はやはり、クソ寒いな。
寒すぎて、私はエベレストトレッキングですら殆ど着なかったダウンジャケットを着ていった。


5分ほど歩くと、オフィスに到着。
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約束の時間から10分遅れたが、ネパールだからちょっと遅れても大丈夫っしょ!って思っていたがネパールのSIMカードが入ってる私の電話番号まで丁度電話してきた。


すまん…。ネパールだからどうせ遅れると思ってた。


昨日、チケットを売ってくれた親子らしい二人が私を待っていた。



どうやら、ジープは息子が運転するらしい。彼はドライバーだったのか。



乗客は他には誰もいなかった。



彼と歩いて駐車場に行き、窓ガラスがバリッバリに凍ったジープに乗り込み、エンジンをかけて車を温める。


10分ほど温めてから、出発した。



直ぐに村の下り坂に着き、そこで車は停まった。



どうやら、これからここで乗客を集めるらしい。


1時間ほどかかり、何とか7人ほどの乗客が集まった。全員チベット顔のネパール人だ。

良かった。ちゃんと出発するらしい。一安心だ。


私が泊まったボロホテルのオヤジが、ストライキで1週間はカトマンズ行きの車は無いとか昨晩言ってたのは何だったんだ。ただの嘘だったのか、若しくは何だったのかマジで…。



さて、走り出したジープには地元の若い姉ちゃんが乗っているのだが、奴が車酔いしたらしく、窓を開けて吐きまくっている。

ビニールに吐いたゲボもビニールごと外に捨てていた。ネバール式か?まぁ、車内に置いて置かれても困るけどな。



数時間、山道を進むとついに長閑な川岸の道に出た。
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景色が良くて、見てるだけで飽きない。

何にもないが、ここでテントを張って川で魚を釣って食べたりしながら2、3泊したら楽しいだろうなーと思った。


その後、広大な農地の長閑な景色なども現れてきて気持ちが良かった。
ここら辺で車を降りて農家の人達の生活を見るのも面白そうだなーと思った。


いつか、そういう旅もしたいものだ。
観光地ではない、田舎の絶対に観光客が来ない長閑な農村などで数週間過ごして回るというのも面白いだろう。そんな日は来るのだろうか。きっと来ないだろうけど夢だ。






さて、お昼頃には昼食を食べる平屋の食堂に着いた。




食堂は基本的にネパール人ばかりだが、僅かにヨーロピアンもいたので、私と同じようにカトマンズに車で戻るトレッカーだろう。



メニューは、ネパールの家庭料理であるダルバートのみ。細かい野菜とかは選べるが、メニューはこの一択らしい。



適当にみんなが食べてるものと同じものを頼んだ。150円程度。
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車内で車酔いで吐いていた唯一の若い女の子と相席になった。

彼女は車酔いで涙を流したから、目の回りの黒いアイラインが落ちて、見るに堪えない顔になっていた。


車中でもチラチラ見てきて、私の事が気になったのか、ここでも食べ方などのコミュニケーションをとってきたが、私は興味がなかったので会話は続けない事にした。



40分ほど休憩して、そこからまた暫く田舎道を車で走った。


14時位になると、車はついに町に出た。
人がゴミゴミと多く、町も汚い。


もうすぐ着くはずだ。


何人かを降ろし、ついにあの姉ちゃんも降りる時がきた。


1000ルピー(1000円)だけを支払っており、ドライバーに「おいおいおい」と言われる。


姉ちゃんは何か笑いながら、ここまでだったら1000ルピー位でしょ!みたいな会話をドライバーとしている。



ドライバーも、真剣な顔でいやいやいや、君は重い荷物を車の上に載せてるから1000じゃ足りん!みたいな会話(予想)。




みんな実家から米やら何やら大量に車に積んでおり、ここカトマンズまで運んで来てるのでかなりの重い荷物がジープの車上には乗っているのだ。






最終的に幾らか姉ちゃんが追加で払い、彼女は去っていった。ドライバーは不満そうだった。たぶん求めていた金額ではなかったのだろう。




それから20分くらいかけ、ついにカトマンズのチャバリに到着!!!!
時間は15時前くらいだ。




おおおー、20日ぶりの帰還。このごみごみとした感じ懐かしい。






ドライバー、ありがとう!!
チベット顔のとても親切なドライバーだった。




さて、タメル地区まで帰るかな。




宿のあるタメルまでは、ここチャバリから4キロくらい。かなり近い。






タクシーだと、タメルまでは高くても300ルピー(300円)。ローカルバスだと僅か20ルピー(20円)。






勿論、私はローカルバス!!






しかし、どのバスがタメルに行くかが分からない。
かなりの数のバスが通過するが、どれか分からない。


バスが来る度に「タメル!!」って連呼しても首を横に振られる。




近くのやつらに聞いてもよく分からないらしい。みんな地元の奴は、タメル地区なんかには行かんからな。






で、結局、30分くらい粘り、






バスを諦める…








そして、なんと、タクシーとかいう裏技を使い始めた私。










ダサっ!!!






エベレストトレッキングで昨日まで毎日、12kgの荷物を担いで山道を10km以上、8時間も歩いていたくせに、タメルまでの平坦な道を4kmも歩けないのか。






俺、ダサっ!!




下山した途端これだからなぁ。
この体たらく。






しかし、カトマンズは山道ではないものの、人と車が多すぎるのと、地面が汚いのであまり長距離を歩くのには向いていないのだ。


いや、マジで。






っていう自分への言い訳でタクシーに300円で交渉し、タメル地区まで帰った。






タメルでは、20日前に泊まっていたトラベラーズホームという宿に戻った。




ユウキ君ともここで待ち合せしていたからね。






トラベラーズホームに行き、帰ってきた旨と空き部屋を訪ねると、なんとドミトリーは満室。






そして8$と10$の安い個室も満室。






ということで、この日はここは諦める。






受付に座っている山田さんという、よくここに出入りしていて、日本人宿泊者に煙たがられている白髪のオジさんがここのグループホテルであるグレードの高いホテルに1000円で泊めてくれるとのことで付いていく。






通常、1500-2000円位のツインベッドの部屋を1000円で泊まれる事になった。




山田さんと、このホテルの関係性はよく分からないが、本人曰く業務提携しているとか。




とにかく、ここのホテルでは彼の言うことは何でも通った。




荷物を置いて久しぶりのシャワーを浴びる。
熱くはないが一応ホットシャワーだ。20日ぶりのシャワー。




はぁ、




生き返る。




髪も身体も洗った。人間に戻った感じがする。




髭も剃った。






そして20日ぶりに鏡で見た私の裸体はガリッガリだった。








うわぁ、ひでぇ…。








骨ほねロックみたい。

10kg以上は痩せたと思う。


日本を出てきたときに66kgはあったが、鏡で見る私の体は55kg以下だろうな。体感だと52kg位だな。


出発前に僅かに出ていた腹は、脂肪が無くなり腹筋が割れている。
自分の腹筋が割れているのを見るのは久しぶりだった。


重い荷物を背負っていたこともあり、唯一、僧帽筋だけはモリモリと発達していたが、それ以外はカリッカリだ。

見るに絶えないので、あまり長くは見たくなかった。






一階が日本食レストランになっているので、山田さんお勧めの、豚カツ定食500円をオーダー。






めっちゃうまい!!
トレッキングで不味い飯ばかり食べていたので、レベルは高くないものの、久しぶりの豚カツは旨かった。



問題はこの山田さんだ。



話がめっちゃ長い。

話し相手がいなくて寂しいのだろう。
こうやって若いバックパッカーを捕まえては自慢話をしているのだが、まぁ、それは 良い。問題は、話が長くなかなか解放されないことだ…。


しまいには、店のテレビのリモコンをいじり、勝手にYouTubeにしてガッキー(新垣結衣)の歌のPVを流しはじめて何度も聞いてるし。

ネパール人スタッフが入ってくる度に「よう!」とか言って偉そうに挨拶してるが、向こうは表向きペコペコしているが煙たがっているのは感じる。



2時間ほど山田さんの昔の自慢話やエベレスト登頂の自慢話に付き合い、疲れてきたので、トラベラーズホームに行くと言って脱出した。



ふぅ。



疲れた。



トラベラーズホームでは、ユウキ君が屋上で宿の人達と戯れていた。


他にも何人もエベレスト帰りのバックパッカーがいて楽しそうだった!


明日はここに移動しよう!!




私の長いエベレストトレッキング。


とりあえず、自分にお疲れ。
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